再就職考
「現在、社員は何人ぐらいかね」
「ホワイトカラーは10人足らずですが、現場は50人近くいます」
「それで君は、社長として迎えられるのかね」
「社長は本部長が兼務で、私は代表権をもった常務です」
「そこでは60歳以後も勤めさせてくれるんだろうか」
「業績が立ち直り、経営が黒字のあいだは身分を保証するとの条件です」
「それはぜひ退職契約に明記してもらうんだな。
人が変わると、そんな約束をした覚えはない、とシラばくれられてもしかたがないからな」
「その点は大丈夫なんですが、問題は本社にたいする忌々しさです」
・・・後輩はなにかをいいたそうでしたが、私はあえてそれを無視しました。
「子会社の経営立て直しに自信はあるかね」
「それはあります。
今までの経営があまりにもお粗末でしたから・・・」
と答えてから後輩は急いで言葉をついだ。
「しかし問題はなくはないんです。
本部長自身、私にしか経営の立て直しはできないといいながら、いままで課長のまま昇進を押さえてきた人事処遇です」
「気持ちはわかるが、ここは過去をすべて棚上げして、未来志向オンリーで検討すべきだね」